ホームシアターといえば、今まではファミリーか男性のユーザーだけでしたが、今回の御客様は初の女性ユーザーです。しかもプランニングから機器の選定までにも関わっていただきました。できるだけシンプルで使いやすく、しかも本格的なシアターを目指しました。
ビフォー/アフターです。Sさんのシアタールームは、壁面がかなり複雑な作りとなっておりました。色々とシミュレーションした結果、スクリーンは90インチワイドに決定しました。生地は定評あるオーエス/ピュアマット2プラス、上黒を600mm(特注)として、スクリーンセンターを十分下げられるようにしました。このようにした事で、フロアに座っての視聴でも疲れないようになります。
プロジェクターは画質にこだわって三菱/LVP-HC3000/DLPプロジェクターをチョイス。このプロジェクター、画質は最高なのですが、レンズシフト機能がないため、設置の自由度がありません。せっかくの画質を損ないたくない思いから、台形補正も使いたくなかったので、試行錯誤の末、決定したポイントが上の写真です。備え付けの棚にもう一枚板を敷いて専用金具で固定してドンピシャ決まりました。
スピーカーはサブウーファーも含めて、オールBOSEを使用。Sさんのシアタールームは部屋が完成した後での依頼でしたので、ケーブルを埋設できませんでした。よって全てのケーブルはモールでカバーする事にしました。この画像は右後方のサラウンドスピーカーですが、棚の扉を開いた時に遮光カーテンの間にギリギリで納まったBOSE/33WER(幅85ミリ!)です。 さすがに女性らしく、部屋の色にAVラックの色も合わせました。コンポーネント構成はシンプルにデジタルハイビジョンチューナー内蔵のHDD/DVDレコーダーとしてSONY/RDZ-D70、AVアンプはDENON/AVC-1920を使用しています。AVアンプにはDVDレコーダーの他にアナログプレーヤーを繋いでいます。シンプルながら、音声は光デジタル、映像はHDMIとオールデジタル伝送となっています。
HiVi CAST(チェックディスク)と「タイタニック」のワンシーンです。どうでしょうか?
このシステムでBS/CS/地上デジタル放送の受信、録画の他にDVD/CDソフトの再生が可能です。しかもプロジェクターにはHDMIケーブルで送っているのでDVD再生の場合でもハイビジョン(1080i)グレードにアップコンバートできます。また、構成がシンプルなので沢山のリモコンを操作しなければならない煩わしさがありません。Sさんはスポーツ観戦がお好きという事なので、これから始まるサッカーワールドカップなどは格好のソースとなる事でしょう。

当初はプラズマTVでとお考えのようでしたが、せっかく暗くできるお部屋をお持ちならば、是非プロジェクターでとお薦めした甲斐がありました。何しろ90インチの画面は42-50インチTVの約4倍の面積ですから迫力が全く違います。ただ、設置にあたっては、プランニング段階で様々な問題が発生して、これをクリアするためにSさんには何度も御足労いただきました。

音については、Sさんから「スピーカーは是非BOSEで」との御希望があったので、非常にスムーズに決まりました。過日、フロントスピーカー(55WER)は、専用ベースを追加して、更に音質アップを図っています。