オクターヴという選択-3
前回は、オクターヴ/V-70SEの出力管を色々差し替えて音の違いを確認しましたが、それでは前段を交換したらどうなるのか?という期待が湧いて来ます。オリジナルには上記右側の3本が付いています。electro-harmonix(ロシア)の12AT7EHが2本とSOVTEK(ロシア)の12AX7LPSが1本です。これらを手持ちのテレフンケン(独)のビンテージ球に交換してみます。12AT7とECC81、12AX7とECC83は呼び名が異なりますが同じ球です。因にテレフンケンの球は底(ピンの出ている側)に四角いマーク(ダイヤマーク)が有り、その中に数字が刻印されています。
前段を全てテレフンケンにした状態。出力管も同じテレフンケン/EL34にしています。V-70SEの場合、2本の12AT7の交換よりも12AX7の交換で、かなり音質が変化しました。オリジナルに比べて音の荒さが無くなり、しなやかなサウンドとなります。また、中域の張り出しや分解能も増しました。前段の球のグレードアップは、かなり効果が高い事が分かります。但しメーカーでは、この前段をできるだけ変更しないよう、推奨しております。理由は、前段に万一不安定な球が使用された場合、出力管が破損又は寿命が短くなるケースがあるためとしています。よって、この部分を交換される際には十分信頼性の高い物を自己責任の基で行うようにして下さい。
最後にノーマルとテレフンケンでの音を聴いてみて下さい。ソナスファベール/Venere3.0で鳴らした音をコルグ/MR-2で録音した音源です。WAV形式で24bit/48kHzで録音しています。CDは「Rosa Passos/Amorosa」です。下の、それぞれの画像をクリックして下さい。


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