2015年8月1日と2日の両日、イベントホールに於いて開催されたアキュフェーズ試聴会の内容を御紹介します。
機材の設置が、ようやく終わった状態です。この日のために、アキュフェーズから山本、小串の両氏がイベントの前日から来店、本番まで、延べ10時間以上をかけて、セットアップからチューニングまでを、やっていただきました。
各ユニットの特性を測定、解析している様子です。マルチの場合、耳だけでは、とても1日2日で、できるものでは無いと、山本氏が、おっしゃっておりました。
左がネットワークによる特性図、横軸が周波数、縦軸は時間、色はエネルギーを表します。ツイーターからの高域が先行して、続いてウファーの低域、ドライバーからの中域は、カールホーンのため、最も遅れています。右側はDF-55(チャンネルデバイダー)を使用して時間軸の補正(タイムアライメント)を施した後の特性図です。低域から高域まで見事に揃っています。
試聴会での解説の様子。解説は山本氏です。アキュフェーズのサウンドポリシーや、マルチアンプシステムの素晴らしさを熱く語って下さいました。
今回の試聴会で、チューニングやデモで頻繁にかけられたディスクがこちら。韓国の歌姫、ウン・サンのHQCDです。使ったトラックは「I Love You」のイントロ部分。何十回となく同じ箇所の再生を繰り返しては、微妙な表現の調整を行っておりました。最終の詰めの段階では、DG-58(ヴォイシングイコライザー)を何度もオン・オフしては試聴を繰り返して、音を追い込んでいました。しかも、初日と2日目では設定を変えるという徹底ぶりには脱帽でした。
今回、使用した機材とシステムの内容です。新製品を中心としたフルラインナップ。思わず涎が出そうな贅沢な構成となっております。アキュフェーズのやる気が伝わってきますね。
当初、WE555システムをマルチで再生したいというお話をいただいた時には、正直、大丈夫だろうかという不安がありました。最も新しいユニットでも(ツイーター)30年以上も前の代物です。果たして、まともに鳴ってくれるのでしょうか?しかし、心配は無用でした。音のバランスはネットワークを使用した状態を保ちつつ、恐ろしいほどの解像度で鳴ってしまいました。御来場いただいた方々も、非常に御満足の様子でした。今回の試みでは、古いスピーカーでも、最新のマルチアンプシステムを導入する事によって新たな音世界に巡り会う事ができるという貴重な体験をさせていただきました。御協力いただいた全ての方々に感謝申し上げます。